Mt.FUJI

2024 Mt.FUJI 100 レポート【⑥振り返り】

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自身6回目の100マイルレースとなったMt.FUJI。結果は25時間1分46秒、男子25位で完走することができました。本レースについて、①概要、②トレーニング、③準備、④レース前半、⑤レース後半、⑥振り返りの全6回の超大作で報告したいと思います。

今回は【⑥振り返り】です

トレーニング時の故障

  1. 両足足底筋膜炎
  2. 左足アキレス腱炎
  3. 右脹脛筋断裂(軽度)
  4. 右足脛シンスプリント

②のトレーニング編において、大会1か月前から右足脛にシンスプリントの症状が出たと報告しました。実際はそれ以外にも故障は発生しており、綱渡りのトレーニングでした。とはいえ、いずれも走られなくなるものではなく、ケアしながら上手に身体を仕上げていくことができました。故障に至った原因と対処方法について記載します。

① 両足足底筋膜炎
症状:両足の裏の外側、内側の痛み。朝起きたときが痛いが、走られないことはない
原因:過度な階段トレーニングにより足裏に炎症を起こした
対処:カスタムソールの新調、アイシング、オムロン低周波治療、足湯
期間:1月~2月末

② 左足アキレス腱炎
症状:左足アキレス腱の痛み。押すと痛い。走られないことはない。
原因:ヤビツ峠走翌日のトレイルランニング中に発症。筋疲労しているところに負荷をかけすぎた。
対処:アイシング、オムロン低周波治療
期間:3月1週目の1週間

③ 右脹脛筋断裂(軽度)
症状:右足脹脛の外側上(古傷)がプチっとなり、痛みを感じる。
原因:ヒルクライムトレーニングで発症。左足アキレス腱炎をかばうことで右足に負担がかかった
対処:アイシング、オムロン低周波治療
期間:3月2週目の1週間

④ 右足脛シンスプリント
症状:右足脛内側に疼く痛み。時として外側にも同じような症状を感じた。足を蹴る・着地する動作のときに痺れる違和感。走れないことはないが、身体のバランスが悪く調子が上がらない。
原因:峠走によるロードの衝撃、過負荷。また、筋疲労の蓄積。
対処:アイシング、オムロン低周波治療、整体、鍼灸、タイマッサージ
期間:3月2週~4月2週目の1か月間

シンスプリントがなかなか治りませんでした。最悪の疲労骨折だけは避けたいので、強度は落とさざるを得ません。本来なら3月中旬から4月初旬は、週間で距離130km 獲得標高6,000m以上を稼ぎたかったのに、その半分程度となってしまいました。

全体的に治療は、オムロンの低周波パッド、マッサージガン、アイシングを行っていましたが、シンスプリントだけは一時的に寛解するものの根治までとはいかず。最終的にはお金をかけて整体と鍼治療に通いました。一気に快方へ向かったため最初から行けばよかったと後悔先に立たず。また、渡航先のタイマッサージでゴリゴリ解してもらうことで本番1週間前に根治することができました。ホント、ギリギリだった!

良かったこと

  1. 補給戦略の成功
  2. サポートによる荷物の削減
  3. 仮眠バスツアー。直前まで仮眠ができた
  4. 垂直方向トレーニングの効果で最後まで足がもった
  5. 追い越す人、追い越される人、ボランティア全員に声をかけて楽しめた
  6. 直前に1週間タイに滞在しており暑熱適応できていた

① 補給戦略の成功
これは、長年の経験としか言いようがありません。準備編で記載したように補給食は、GUリキッドとchallengerのドリンクミックス、エイドのバナナのみです。補給間隔や補給量など細かい戦略はあるのですがここでは割愛します。私の胃腸は、これで全く不快感や嘔吐はありません。個人差があるので、是非、ご自身であう食品を探して試行錯誤してみてください。これも楽しみの一つですね!

② サポートによる荷物の削減
まさにF1のピット。自身は補給に専念する間、ゴミ捨て、水の入れ替え、マッサージなど、全てが短時間でフレッシュな状態に更新されていく。特に今回のサポートはLDAのプロ集団だけあって、本当に快適でした。

③ 仮眠バスツアー。直前まで仮眠ができた
【④レース前半編】のレース当日で記載した通り、ノンストレスでスタートラインに立つことができました。もし来年も同じような時間なら活用したいと思います。

④ 垂直方向トレーニングの効果で最後まで足がもった
毎週5,000m前後の累積。それも、ただ漫然と登るのではなく、階段・坂ダッシュ・jog・峠走・トレイルなど、色々なサーフェイス、速度、求める効果を模索したことで、登り耐性が着いたと思います。特に年末・短時間高負荷期の10日連続階段練は、故障リスクはあるのですが、身体を登り仕様に戻すのに大きな効果を発揮したと考えています。

⑤ 追い越す人、追い越される人、ボランティア全員に声をかけて楽しめた
これはチー100の黒田姉さんの教え。いろんな人を巻き込んで、元気に明るく楽しく進もう!です。エネルギーを貰えるし、辛さも緩和されます。今回のレースではラストの林道のスパートは、コミュニケーションを取ったおかげでひっぱってもらいました。おそらく15分近くは違ったのではないでしょうか。

⑥ 直前に1週間タイに滞在しており暑熱適応できていた
これは、個人的な特殊事情です。家庭の都合で、乾季で暑さ最高潮のタイに行きました。通常の生活をしているだけでも暑いのに、ジョグや閾値走を入れて暑熱適応をすることができました。本番は、曇りがちでそこまで暑くならなかったことが残念でした。

悪かったこと

  1. オーバーペースによる筋疲労
  2. 水分の補給不足
  3. 故障によるロードの練習不足で北麓公園手前のロードをほとんど歩いた
  4. サポートとの事前打合せ不足でエイド時間が長くなった。もっと甘えればよかった
  5. シューズの選択ミス。途中、走れないほど足の甲が痛くなった。
  6. ワセリンをしっかり塗ること

① オーバーペースによる筋疲労
スタートから想定外の調子の良さでペース調整がうまくいかなかった。心拍は150を超えていたのですが、脚の軽さから感覚を優先してしまいました。心拍をみて140前半で進めることができたら、途中の失速は免れたかなと思います。

② 水分の補給不足
オーバーペースと合わせて、水分の補給をおろそかにしてしまったことが悔やまれます。感覚ではのどの渇きは無いと思ったのですが、ドリンクミックスが甘くて本能的に水分補給が嫌になったかもしれません。後半は真水のボトルを持つようにしてドリンクミックスの濃さを調整できたので良かったと思います。

③ 故障によるロードの練習不足で北麓公園手前のロードをほとんど歩いた
シンスプリントの影響と、垂直報告トレーニングの追求でロードのロング走をおろそかにしてしまいました。平坦での粘りの走りができず、北麓公園手前では歩いてしまうなど、中盤でのペースアップができませんでした。jogは大事。

④ サポートとの事前打合せ不足でエイド時間が長くなった。もっと甘えればよかった
良かったことにエイドのサポートをあげましたが、一方で、事前打合せを詰め切れておらず、序盤では役割分担がバッティングするなど、無駄なことが多くあった。気を使ってしまっていたので、もう、最初から甘えてお願いすればよかったと反省です。

⑤ シューズの選択ミス。途中、走れないほど足の甲が痛くなった
準備編でも記載しましたが、最後までシューズが定まらず、使い古しのシューズを履いてしまい、早々に脚の甲に痛みが出てしまった。痛みには強いので、なんとが我慢して走ることができたが、ペースアップができなかった要因の一つと考えます。早速、TOPOを購入。これで走れていればサブ24で表彰台乗れたかなぁ~~~

⑥ ワセリンをしっかり塗ること
杓子山を下りてからのロードで、股ズレ発生。ちょっと気になったので富士吉田でワセリンをいただこうと思ったが…これが結構時間がかかってしまいました。救護の方は悪くありません。私がケアできていなかったのが悪いのです。

故障履歴と、良かったこと、悪かったことをまとめてみました。こう見ると、よくやったなぁと改めて思います。この計画性と実行力と振り返り。仕事に生かしたいものです。今回で最終回だったのですが、リザルトデータから見る、私のMt.FUJIの結果は書ききれず。定量的なデータから来年の戦略を考えてみたいと思います。

次回が最終回かな?

ABOUT ME
Ryohei Kobayashi
Ryohei Kobayashi
会社員、トレイルランナー
44歳。会社員トレイルランナー。ランニング歴25年。
トレイルランニングの魅力を発信します。
チーム100マイル、LDA-RC所属
【直近の成績】
2022 信越五岳100mile 25:05:37 14位
2023 Mt.FUJI 100mile 25:39:32 40位
2024 Mt.FUJI 100mile 25:01:46 25位
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